ココロが軽くなるメンタルケア:若手社員とどう接すればいいのかわからない

一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長 大野 裕
48歳の男性会社員です。23歳の新入社員について相談です。彼は真面目そうではありますが、表情が乏しいため何を考えているのかつかみにくく、話しかけてもあまり会話が続きません。指示した仕事はこなしてくれますが質問はほとんどなく、本当に理解できているのかも判断しにくい状況です。
昔であれば、もっと相手に踏み込んで、ときには厳しく指導ができたのでしょうが、今の時代はハラスメントとなってしまう不安があり、必要以上に気を遣ってしまいます。フレンドリーには接しているつもりですが、空回りしているのではと感じることもあり、最近ではストレスが大きくなってきたと感じています。
若手社員とはどのような距離感で接していくのがよいのでしょうか。

適切な距離は人それぞれ異なります
あなたはやさしい人です。だから、若手社員にできるだけ声をかけ、安心して仕事ができる環境を作ろうとしているのでしょう。しかし、若手社員が安心して仕事ができるかどうかということと、会話が弾むかどうかということは違います。
人間関係の持ち方は人によって違っていて、人と話をするのが好きな人もいれば、苦手な人もいます。私の患者に非常に優秀な人がいます。しかし、人との交流が苦手で、上司から声をかけられたり食事に誘われたりするのがとても苦痛だとよく言っています。その患者とは、上司との上手な距離の取り方を一緒に考えていっています。
上司としては、若手であるかどうかにかかわらず、その人にあった適切な距離の取り方を考えることが大切です。それに、話が苦手だからと言って、仕事ができないというわけではありません。人付き合いが苦手でも、自分に合った仕事であれば素晴らしい成績を上げる人はたくさんいます。
あなたの役割は果たせていますか?

仕事上の人間関係と、友人との人間関係は違います。上司の役割は、友だちのように接することではなく、その人がきちんと仕事をできる環境を提供し、その成果をきちんと判断することです。相手の表情が乏しくても、あまり話をしなくても、仕事の評価はできるはずです。
期待したような仕事ができていないときには、上司として、成果が上がるように厳しく指導しなくてはならないかもしれません。ハラスメントと言われるのを恐れて必要な指示ができてないために、問題が起きる可能性があります。もし問題が起きれば、上司としての責任を問われるかもしれません。自分の指示や助言が必要で適切かを判断することも、上司として大切な役割だということを忘れないようにしてください。
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